薩長同盟と竜馬のビジョン

久し振りに坂本竜馬の話から させて頂きたいと思います。

坂本が活躍していた当時,薩摩と長州が手を結べば幕府を倒せるということは
誰もが考えておりました。しかし,作家の司馬遼太郎さんも その著書の中で
書かれているように 現代に例えるとアメリカとソビエト(少し古いですが・・)が
手を結ぶくらい大変な事であったと書かれております。
当時 長州人は薩賊会奸といって会津藩と薩摩藩を最も憎んでおりました。
要するに,お互いがお互いを憎悪しあう犬猿の仲だった様です。

さて,この両藩を坂本は どの様にして手を組ませたかですが
私には 経営品質にも通じると思われる 坂本の描くビジョンがあった様に
思われます。
過去の出来事には一切触れず 将来どの様な社会にしたいのか・・
薩摩藩とか 長州藩だとかに 意地を張るのは小さな事であり
日本という国の将来を考えようと 両藩の関係者に説き始めます。
最終局面で 両藩の対談が決裂しそうになると 坂本は烈火の如く怒り
長州の桂と薩摩の西郷に日本人という視点で物事を考えよ と説きます。
そして その説得が功を奏し決裂寸前であった両藩の会談は同盟締結へと
流れて行きます。
また,この後 寺田屋で幕府役人に襲われた坂本は 護衛の友に
このまま 幕府役人に捕まるよりは武士らしく切腹しようと持ちかけられます。
しかし,坂本は八方塞がりの状況になったら 「一段梯子を高く上れ
そうすれば 今迄見えていなかった道が見えてくるかも知れない」という
ような事を言い 死を選ぶのでなく薩摩藩に救助を求めるべく走りなさいと
説きます。結果 友の者は無事,幕府役人の間を潜り抜け薩摩藩邸に駆け込み
両者は九死に一生を得ます。

さて,この2つの場面での坂本の語りかけなのですが 私には経営でいうビジョンと
相通ずるものがあると思えてなりません。
過去の経緯から憎しみ合う組織であっても,プライドの高さから死を選ぼうと
血気付く友に対しても 絶望的な状況の中から前向きに走り出させるためには
視点を一つ高くして考える事を気付かせることが出来たなら,
関係者・人々の力を一つにできるのかも知れません。

司馬遼太郎さんは その著書の中で 薩長同盟締結の際の関係者の心の動きが
著書の中で最も書き伝えたかったことだと書かれておりました。
私には司馬さんが 読者に最も伝えたかったことって このビジョンが持つ
力のことではないだろうかと 思えてなりませんでした。

大好きな坂本の話で少し 記事が長くなってしまいました。
明日以降 このビジョンについて 経営品質の書籍からの私の気付きについて
投稿させて頂きたいと思います。宜しくお願い致します。


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